文章を書く、コードを書く、画像を作る。AIは、短い期間で、できることが大きく増えました。便利になった一方で、サイバーセキュリティの世界でも、AIは「使う側」と「狙われる側」の両方に関わるようになっています。むずかしい話は抜きにして、3つの関係に分けて整理します(2026年10月23日時点)。
AIは、攻撃にも守りにも使える道具です。そして、AIを使うこと自体にも、新しいリスクがあります。
AIとサイバーセキュリティの3つの関係
AIの進化攻撃に使われる例: 自然な文面の詐欺メール守りに使う例: 不審な動きの検知、調査の補助AI自体がリスクになる例: 機密情報の入力、誤った出力、権利侵害
1. 攻撃に使われる
文章を整えるのが得意なAIは、詐欺メールやメッセージを、自然な日本語で作れてしまいます。以前は「日本語がおかしいから怪しい」と見抜けた場面でも、それが通用しにくくなります。見分けるポイントは、文面の自然さではなく、差出人、リンク先、急がせる内容かどうかに移ります。
2. 守りに使う
大量のログから不審な動きを見つける、脆弱性の調査を手伝う、といった使い方が広がっています。人の目だけでは追いきれない量を、AIが補う形です。ただし、AIの判断を、そのままうのみにしないことも大切です。
3. AI自体がリスクになる
AIに入力した内容が、意図せず外に出る。AIが作った文章や画像が、他人の権利を侵害する。AIが、もっともらしい間違いを出す。こうした、「使い方」によるリスクです。
IPAも「AIの利用をめぐるサイバーリスク」を重く見ている
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が入りました。報道では、この脅威が組織向けの10大脅威に初めて入ったと伝えられています。IPAは、AIは業務でも個人でも役に立つ道具だが、理解が不十分なまま使うと、権利の侵害や情報の漏えいにつながることがあると、注意を促しています。
なお、10大脅威の順位は、危険度の高さそのものではなく、選考会のメンバーが、社会的な影響が大きいと判断した順番です。1位は「ランサム攻撃による被害」で、AIの話だけでなく、基本的な対策も引き続き重要です。
今日からできる、5つの基本
- 入れてはいけない情報を決める。パスワード、APIキー、個人情報、社外秘の資料は、AIの入力欄に貼らない。
- AIの出力は、確認してから使う。特にコードは、そのまま動かさず、中身と、使っているライブラリの実在・安全性を確かめる。
- メールやメッセージは、文面ではなく、差出人とリンクで判断する。
- 基本の更新を続ける。OSやソフトの更新、二段階認証、バックアップは、AI時代にも変わらない土台です(脆弱性の最新動向も参照)。
- 会社や学校のルールを確認する。AIを使ってよい範囲が決まっていることがあります。
まとめ
AIの進化で、攻撃も防御も、速く、手軽になりました。だからこそ、特別なことより、基本を続けることの価値が上がっています。「何を入力しないか」「どう確認してから使うか」を、自分の中で決めておくだけで、リスクは大きく減ります。
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出典と確認について
2026年10月23日時点で、以下の一次情報(公式の一覧・公的機関・脆弱性データベース)を直接確認して書いています。順位と名称は、IPAの公式ページで確認しています。「初ランクイン」とIPAの注意喚起の趣旨は、報道(Impress などの解説記事)の記載によります。「3つの関係」の図と、具体例は、一般的な整理であり、特定の統計に基づくものではありません。


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